ビルディング・インフォメーション・モデリング(BIM)
BIM の持つ豊富な情報を容易に抽出し、作業の範囲を特定して利用することができ、システム、アッセンブリ、シーケンス情報を施設全体および一部など関連する範囲で表示することにより、建設工程、施設管理、建物のライフサイクル等のコストマネジメントやプロジェクトマネジメント等の広い分野で利用される。
ファシリティーマネジメント(FM)
FM(ファシリティーマネジメント)は、建物や設備等についての不動産としての保有、運用、維持などを経営の視点から最適化する手法で、近年は公共の建物や設備の管理運営にも積極的に導入する動きが広がっている。
適切な管理運営により、コストの低減と合わせ、施設の利用環境をより良くすることで施設自体の価値を高め、間接的に生み出されるサービスの質の向上につなげることもFM導入の目的となっており、更に施設の長寿命化やライフサイクルコスト(LCC:建物の建設費、維持管理費、解体費等の生涯コスト)の削減もFM導入の目的となっている。
バリューエンジニアリング(VE)
建築物の機能、性能を低下させることなしに、施工性等を考慮して設計上の諸々の工夫をすること。近年、建築物の機能、性能を低下させることなしに、建設コストの削減を図ることを目的とした効率的、経済的な設計手法の一つとして注目されている。
ユニバーサルデザイン
高齢者、障害者にとってバリアとなる施設の障害を取り除いて、円滑に使用できるようにするために、建築法規、建築計画の上で種々の方策が考えられてきたが、近年、高齢者、障害者等の特定の人たちのためだけでなく、すべての人にとって安全で使いやすい施設、機器を考えるユニバーサルデザインによる設計が主流となってきた。このような傾向は、近年、例えば、スプーン、歯ブラシなどのデザインからノンステップバスのデザイン(バスの乗降者口の床高を低くしてある)に至るまで、建築以外の幅広い分野でも顕著になってきている。
CASBEE
Comprehensive Assessment System for Building Environmental Efficiency(建築物総合環境性能評価システム)の略称です。CASBEEは、省エネルギーや省資源・リサイクル性能といった環境負荷削減の側面はもとより、室内の快適性や景観への配慮といった環境品質・性能の向上といった側面も含めた建築物の環境性能を総合的に評価し格付けする手法です。
集合住宅の東西軸と南北軸
我が国では周知のごとく、住宅における南面の効用が極めて大きく、できるだけ集合住宅(マンション等)の各戸全てを南面させるため、片側廊下方式の場合には、一般的に東西に長い東西軸の形式となります。他方、廊下の両側に住戸のある中廊下形式では、東西軸とすると最も好ましくない北側に面する住戸ができてしまうために、これを避けるため、南北軸とし、東側と西側に住戸を配するのが一般的です。しかしながら、近年、塔状の超高層マンションでは眺望を重視する観点や共用のラウンジやポケットパークを計画することにより、北側に住戸を配するものも見られるようになってきました。
LCC(ライフサイクルコスト)、LCCO2
LCC:建築物の初期建設費から建築物の使用される期間の総費用(修繕・改修・清掃・保守等の全費用で通常60年間程度の期間を考える)の合計。以前は、初期建設費のみを問題とすることが多かったが、近年は建築物の生涯コスト(LCC)を考慮して計画することも多くなってきた。近年比較的、新しい問題として建築計画(建築経済)に出題されることがある。
LCCO2:LCCが建築物の生涯コストであるのに対して、LCCO2は建築物が建てられるときから、その建物の使用期間中(通常60年程度)に冷暖房等で排出されるCO2(炭酸ガス)の総合計のこと(建築物に使用される材料を製造される際に排出されるCO2も含む)。近年、地球環境を考慮して大規模建築等の計画時に考慮されるようになってきた。新しい問題として、建築計画(環境)に出題されることがある。
管理建築士の役割
近年の建築界での諸処のトラブルの発生により、建築士法においてその役割を定められている建築士の在るべき姿が改めて問い直され、建築士法上の規定も改正されましたが、同時に建築士の所属する建築士事務所の在るべき姿も問い直され、建築士法上の規定も改正されました。
すなわち、建築士事務所の運営が適正に行われなければ、そこに所属する建築士の業務が適正に行われることに支障を生じかねないとの考えによるもので、この観点から建築士事務所の運営の技術的な面について管理、助言する立場としての管理建築士の役割が重視され、改正されたものです。
建築士事務所には専任の管理建築士を置くことが必須条件で、また、管理建築士の建築士事務所における役割は、設計、監理業務のチェック体制や、個々の設計、監理業務に携わる建築士の経験、能力が適正か否かの判断等、技術面全般の多岐にわたるものとなっています。
建築士法の重要性
構造偽装事件は大きな社会問題となり、その影響は幅広く、昨年の建築士試験制度の改正にまで及びました。すなわち、上記の事件から建築士の資質や在り方までもが問題となり、その一環として建築士の資質の向上を期して、建築士試験制度の改正がなされた訳です。
さて、建築にかかわる者の資格や業務の在り方を規定しているのが建築士法ですから、上記の事件に大きな係わりを持つこの法律は、建築士の業務の在り方等について、諸処の改正が行われました。そして、その改正の内容は今後建築士の業務が適切に行われて行く上で、極めて重要な意味を持っている訳ですから、近年の建築士試験でも必ず出題される重要ポイントとなった訳です。本欄では、今後この問題について、しばらく定期的に取り上げて行く予定です。
法の不遡及の原則と既存不適格建築物
法律には、その法律が制定される以前のことについては、その法は効力を有していないという、法の不遡及の原則があります。
このため、建築基準法においても、建設時の法に適合しているとして建てられた建築物が、その後に改定された法に適合していなくても、既存不適格建築物(違反建築物とは異なる)として、大規模な修繕や模様替えをしない限り、現規定の適用を受けないこととなっています。
このため、既存不適格建築などで特に構造的な改修を図ることを目的とする「耐震改修促進法」においても、「・・・しなければならない」ではなく、「・・・するように努めなければならない」という努力目標的な規定となっており、このこと自体が諸々の難しい問題を含む結果となっています。
建築基準法における、仕様書的規定と性能書的規定
従前の建基法は「もの」の造り方を細かく規定する仕様書的規定が主でしたが、近年の技術進歩、規制緩和、国際化等の状況から、造られる「もの」の有すべき性能レベルそのものを規定する性能書的規定が大幅に取り入れられるようになってきました。
このため、従前は施行令に定められていた仕様書的規定を告示に移し、施行令には、新たに性能書的規定(技術的基準)を入れています。
なお、大部分の場合は、従前通りに仕様書的規定によると想定し、特別な設計等による場合に性能書的規定によると想定され、また性能書的規定による場合は、その設計の考え方が公的機関等によって認められることが必要です。
構造特性係数Ds
建築物の地震力に係わる保有水平耐力を算定する場合に使われる低減率で、壁・筋違の量、種別や柱・梁の種別が関係する建築物の粘り強さで決まる。0.25~0.55の値となる。
曲げ破壊先行型の構造設計
鉄筋コンクリート造等で、柱が垂れ壁、腰壁で拘束されることなどにより実質的に短くなる(短柱)と、地震時の水平力により剪断破壊(脆性破壊)を起こして非常に危険な状態となります。そのため、これを避けるために垂れ壁、腰壁の部分にスリットを入れることなどにより、柱が短柱となるのを避け、剪断破壊前に曲げモーメントによる破壊を先行させる設計。曲げモーメントによる破壊は、柱と梁の部分にクラックが入り変形等が生ずるものの、剪断破壊のような瞬間的な破壊には至らないとされています
炭素繊維巻き柱耐震補強工法
既存柱に鉄の約10倍の引張り強度があり、重量は鉄の約1/4と極めて比強度が高い炭素繊維を幅25~33cmに敷き並べたシートをエポキシ樹脂を含侵させながら柱の周囲に巻き付ける工法です。この工法では、柱コーナー部での炭素繊維の破断を防ぐために、コーナー部を半径30mm以上の円形に成形する必要があります。
限界耐力計算法
限界耐力計算は、許容応力度等計算と並立する形で設けられている構造計算で、極めてまれに発生する大規模な積雪および暴風に対する安全性を直接検討するとともに、地震時における建築物の変形を計算し、それに基づいて必要な耐力を計算して求め、安全性を確認する手法である。そのため耐久性等に関する規定以外の仕様規定の適用が不要とされている。
限界耐力計算法により安全性が確かめられた建築物については、建築基準法第3章第2節から第7節までの仕様規定の大半が適用除外されますが、耐久性、施工性、防火性の構造計算によって確認できない規定は適用される。
以上により、例えば、木造軸組構法の建築物では、地震力に対して専ら耐力壁によって抵抗する仕様規定によらず、軸組そのものの水平耐力も考慮した設計が可能となります。
工事監理と施工管理
建築士法上、工事監理とは、工事が設計図書通りに行われているか施主側の立場で確認することですが、工事が設計図書通りに行われていないと認められる場合には、工事監理者は施工者に工事を設計図書通りに行うように求め、それに従わない場合には施主に報告しなければならないと規定されています。
これは、施主との契約は、設計者、工事監理者、施工者との間で各々別に結ばれていて、工事監理者と施工者とには契約関係がないため、工事監理者の権限は施工者に求めることだけに留まり、施工者に直接、命令する権限を有しないためです。他方、建設業法では、工事施工者が工事監理者から工事が設計図書通りに行われていないと指摘され、設計図書通りに行うように求められても、それに応じられない理由のある場合は、その旨を施主に報告しなければならないと義務づけられています。
以上のような規定についても、単に規定されている事項を憶えるだけでなく、何故そのように規定されているか、その背景、理由を理解することが大切です。
なお、上記の問題は、建築法規、建築施工のいずれの科目でも出題される可能性があることに留意する必要があります。
トータルフロート (TF)
工事管理におけるネットワーク工程表の用語の一つである。作業を最早開始時刻(EST)で始め、最遅終了時刻(LFT)で終わらせる間に存在する作業上の余裕時間のことで、作業の余裕時間として、これ以上消費すると全体の工期が延びてしまう限度となる余裕時間の最大値をいう。
型枠支保工等の構造計算に用いる許容応力の値
型枠支保工に用いる鋼材の許容曲げ応力及び許容圧縮応力の値は、当該鋼材の降伏強さの値または引張強さの値の3/4のうち、いずれか小さい値の2/3以下とします。鋼材の許容せん断応力の値は、当該鋼材の降伏強さの値又は引張強さの値の3/4のうち、いずれか小さい値の38/100以下とします。型枠支保工以外の端太材等の許容応力度は、使用鋼材の長期許容応力度と短期許容応力度の平均値とします。
鉄筋の圧接の外観検査と不良圧接の補正
鉄筋圧接完了後に行う、外観検査項目・判定基準に基づく検査の結果、不合格となった圧接部の不良の程度に応じて補正します。
- ふくらみの形状及び寸法は、ふくらみの直径は母材鉄筋径の1.4倍以上、ふくらみの長さは母材鉄筋径の1.1倍以上でなければなりません。
補正方法は、再び加熱し圧力を加えて所定の寸法にふくらませます。 - 圧接により生じたふくらみの最大となる位置と鉄筋の接合面の位置のずれは、d/4以下でなければなりません。
補正方法は、圧接部を切断し再圧接をします。 - 圧接部における鉄筋中心軸の偏心量は、d/5以下でなければなりません。
補正方法は、圧接部を切断し再圧接をします。 - 鉄筋部に著しい折れ曲がりがあってはなりません。
補修方法は、再加熱し曲がりを直します。 - 圧接部のふくらみのふくらみ部分の差は、d/5以下でなくてはなりません。
補修方法は、圧接部を切断し再圧接をします。
ワーキングジョイントとノンワーキングジョイント
- ワーキングジョイントとは、目地のムーブメントが比較的大きい目地を言います。ムーブメントが生ずる原因としては温度・湿度の変化に伴う部材の変形や地震に伴う層間変位や風による部材のたわみ等が挙げられます。ワーキングジョイントの場合には、それらのムーブメントに対する追従性、接着性、耐久性、施工性を考慮した、適切な目地幅、深さを決定する必要があります。 また、ワーキングジョイントの場合3面接着にすると、ムーブメントによりシーリング材に局部的な応力が生じ破断しやすいので3面接着の防止をする必要があります。
- ノンワーキングジョイントとは、目地のムーブメントが小さいか、または、ムーブメントを生じない目地を言います。目地幅、深さは、シーリング材が確実に充填できる寸法であり、接着性・耐久性を確実に確保でき、硬化阻害を起こさない寸法を決定する必要があります。 また、ノンワーキングジョイントの場合は、目地底に水が浸水した場合に水みちとなる 2面接着よりも、シーリング材が目地底に接着して水みちを生じない3面接着の方が有効です。
労働災害関連用語
(1)年千年率は、労働者千人当たり1年間に発生した死傷者の割合(数)で、1年間に発生した死傷者の数をその1年間の平均労働者数で除し、1,000倍して求めます。
(2)度数率は、死傷者の発生割合を表すのには、労働者が働いた延労働時間によって算出するのが合理的なため、百万延労働時間中に発生する死傷者の数をもって求めます。
(3)強度率は、年千年率、度数率が、死傷者の発生の頻度(度数)を表わすものであるのに対し、傷害の軽重の程度を表わすために、負傷による損失労働をもって負傷の軽重(強度)の程度を評価するものです。強度率は、損失労働力を労働損失日数で表し、標準作業量には労働時間1,000時間を用い、千延労働時間中において傷害のため失われる労働損失日数で表わします。
総合評価工事落札方式
従来の価格のみによる工事の落札方式とは異なり、「価格」と「価格以外の要素(工事の安全性、初期性能の持続性、環境への影響、維持管理・改修等)」を総合的に評価し落札者を決定する方式で、具体的には入札者が示す価格と技術提案の内容を総合的に評価し落札者を決定する落札方式のこと。


















