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平成27年度二級建築士学科試験の総評
本年の学科試験の内容は総じて、計画、法規では従来の出題範囲外からの新規の難度の高い問題もみられ、例年よりやや難易度が高くなったと考えられますが、他方、構造、施工では概ね過去の出題範囲内からの問題で、ほとんどの問題が、しっかりした比較的基礎的な知識と理解力を有していれば解ける問題であったことから、例年より難易度はやや低かったと考えられます。
学科 I (計画)
計画の出題分野は建築史、環境工学、建築計画論、建築設備からなり、各分野からの出題比率は概ね例年通りですが、環境工学の分野の熱力学、屋外環境等の問題で、新規の相当に高い理解力を要する問題が出題されているのが注目されました。環境工学は、本来、記憶によるのではなく、理論に対する確実な理解を要する分野であり、また、環境に関する事項は現在、特に注目されている社会問題でもあるため、今後も、特に注意を要する分野であると考えられます。
学科 II (法規)
法規の出題分野は、建築基準法とその他の建築関係法とからなりますが、建築基準法20問、その他の建築関係法5問で、例年通りの出題比率でした。出題傾向として注目されるのは、特に建築基準法に関する問題で、法のただし書に係わる設問等、細かい規定についてのものが目立ち、それだけに、詳細な事項についての正確な知識の有無が得点に大きく影響するものとなっています。

また、特に高さの規定に関する設問では、例年になく、複雑な内容の問題が出題されましたが、建ぺい率、容積率、高さ規定は、ほとんど毎年出題される定番ともいえる問題であるだけに、今後、複雑な内容のものもしっかり解ける力を養っておくことが必要といえます。

また、建築基準法、建築士法について、本年6月に改正された箇所については、当然、試験の出題範囲からは外されていましたが、28年度の試験では、一つの留意点になると考えられます。
学科 III (構造)
構造の出題分野は、力学、各種構造・設計、材料からなりますが、いずれの分野の問題も、過去の出題範囲からの出題で、しっかりした基礎知識、理解力があれば概ね解ける内容の問題で、例年よりも難易度はやや低かったと考えられます。但し、構造の分野は、単なる記憶だけでなく、理論に対するしっかりした理解力が欠かせない分野であり、それだけに理解力が不足していると致命的となるとも考えられるため注意が必要です。
また、近年、一般に木造が見直されてきていることから、木造に関する出題が増える傾向がありますが、本年も木構造に関するやや難度の高い問題が種々出題されていたのにも注意する必要があります。
学科 IV (施工)
施工は出題分野が広く、また記憶しなければならないことも詳細なことも含めて非常に多いのが特徴ですが、本年の問題は、比較的過去の出題範囲から出題されているものが多く、難易度は例年並みか、やや低かったとも考えられます。それらの中で、異分野からの設問からなる組合せ問題が比較的多くみられたのが本年の特徴ともいえますが、いずれにしても、詳細なことについての正確な知識をいかに、現場の経験はなくても、着実に整理して身につけておくかが得点のための重要な鍵といえます。

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